SSブログ

編集者に感謝! [works]

vacances_cover_001.jpg

パリのヴァカンスのフランス語ノート』(森田けいこ:著/三修社:刊)という本をデザインさせていただきました。
昨年刊行し好評を博した『パリの幼稚園のフランス語ノート』(森田けいこ:著/三修社:刊)の続編というか、森田けいこさんのシリーズ第2弾がいよいよ登場!というわけですね。w
この本と前作は、慶應義塾大学大学院で言語学を修め、大学講師も務めたパリ在住の森田けいこさんの人気ブログ『カメラと一緒にパリでお散歩』からの書籍化です。

旦那さんが撮られた可愛い娘さんの写真をフィーチュアした、
おしゃれなセンスで彩られたパリでの生活を綴ったとっても素敵なブログなんですね。
とっても人気の高いブログですから、
そのブログから感じるセンスを壊すわけにもいきません。
なので前作でデザインで参加させていただくことになって、
「これは頑張らねば!」と結構一生懸命頑張って作ったんですよね。
結果、各方面で好評を博し、自分的にもお気に入りの仕事となったのですが、
振り返ってみれば、著者の森田さん的には気に入ってないこともあったみたいでね。w
思わぬがっかりな顛末?(笑)
美意識の高い著者さんなので、こだわりの部分を十分にフォロー出来なかったのかも知れません。
僕が満足して、編集者も満足して、出版社も満足。
それだけではやっぱり片手落ち。
著者が気に入ってくれないのは本当に残念なんですよね。
それはもう出来上がりの満足感の50%にも届かない出来事ですから。
そんな時は本当に自分の力不足を感じるのです。

pari,vacance-012-013.jpg

まあ、商業出版物は、単純にデザインのいい悪い(言い換えればシュッとしてるかしてないか w)だけでは制作出来ません。
細くて淡い色の字の方がオシャレでいいとデザイナーや著者が思ったとしても、
出版社の営業部から太くてベタな目立つ色にして欲しい、と要望があればそうしなければならないんですね。
こういう本も、作品集や写真集、あるいはエッセイではなく
あくまでも「語学本」ですから、
デザイナーの本意ではないことをたくさん折り込んで調整してゆかなければならないんです。
本意ではないことも「やりゃあいいんでしょ?」的な落とし込みはデザイナーの美意識が許しませんから、
ダサい要望をいかにシュッとさせるかの調整に心血を注ぐことになるんですね。(笑)
その過程は編集者とデザイナーとのやり取りの中でしか行われない調整ですから、
ちょっとシュッとしきれてない結果を見た著者や読者が「このデザイナーはイケてない」と思うこともあるかもしれませんしね。

pari,vacance-118-119.jpg

なので、今回はある意味、
スタート時からマイナスの位置からのスタートですから非常に大変でした。
前作のデザインが好評だったので僕に、という出版社側の意向があったとはいえ、
森田さん的にはそういう様々な理由が複合的に重なって、
僕のデザイン・センスをどうしても必要だという状況ではなかったようですからね。
なので今回はなんとか気に入っていただこうとさらに頑張りました。(笑)
とはいっても「著者の希望を叶えられる範囲ですべて叶えて上げよう!」という基本姿勢だけは決まっていましたから、僕的にはノープランの進行でした。w
結果、いい本になったと僕は思ってますが、
著者さんの本心的なところはどうだったかはわかりません。
でも、この本の出来が素敵だと思ってくれる部分があったとしたら、それは80~90%は編集者の努力のおかげだったと言える本なんですね。
本当に謙遜なんかではなく。

森田さんの希望を落とし込み、
僕にリクエストを伝える。
さらに編集上やデザイン上で
森田さんの希望に沿えない構成や決めごとがあれば、
それを森田さんに伝え、
最善の解決案を構築して、
著者と出版社側の意向と擦り合わせた上で編集し、
それをデザインのリクエストとして僕に伝える、
という信じられない作業に明け暮れてくれました。(笑)
僕はそれを形にして体裁を整える、という作業だけでしたから。
デザイン上不可能なことは提示しましたが、
なんとか著者の希望に近いものを作りたかったし、
その隙間も一生懸命に埋めてくれたのは編集者でした。
この本がとっても素敵なデザインだと思ってくれてる読者がいたとして、
その読者はその製作過程を知らないわけですから、
外から見たらまるで僕の手柄のように見えてる人もいるでしょう。(笑)
なので二重の感謝を贈りたいと思います。w w
そして著者の森田さんにも、至らない僕の力量のせいで
希望した姿の本にはなっていなかったかも知れませんが、
編集者の努力に最終的なOKをいただけて感謝いたします。

今回は僕的に「こういう本を創ろう!」という湧き出るビジョンに沿って創られた進捗過程の本ではありませんでした。
それでも、関係各所、
気に入ってくれればそれでよし!なんです。
僕の牽引的なビジョンがなくとも、
本当にいい本になったと思いますから。w

最後に個人的な感謝を。
 編集の尾原さん。
 出版社の担当、松居さん。
 本当にご苦労様でした。
この場を借りてたくさんのマハロを。w
引き続きこの「実績証明重版確実トリオ」で、ご機嫌なビジュアル語学本を量産してゆければいいな。

みなさん。
どこかで見かけたらぜひペラペラっと見てみてくださいね。w

マハロ。


Holden - Ce Que Je Suis

にほんブログ村 デザインブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 デザインブログ DTPデザインへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ライフスタイルブログ フリーランス生活へ
にほんブログ村

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村


ALOHA DESIGN ON BLOG English translation

nice!(67)  コメント(37)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。